WISH RA/秋元 保菜実
ある朝,A[1]がなにか気掛かりな夢から眼をさますと,自分が寝床の中で一羽の渡り鳥に変っているのを発見した。
そう,これは一匹の狼Aがある日突然,渡り鳥に変身した日の話である。
<RA活動を通して>
Aは責任感が強く,いわゆる優等生だった。
周りから期待されることが多く,自分の考える正解を頼りに生きるしかない孤独な狼だった。だから寮生の大学生活をサポートするRAになるのも,それが自分の進むべき道だと信じてやまなかった。
ところがAはRAになって,自分の考える正解がなんてちっぽけだったかにひどく驚いた。
思いもよらない突飛なアイデアを出す仲間がいたり,自分の意見に対して真剣にアドバイスしてくれる仲間がいたり…
むしろ自分の価値観にしがみつこうとする方が自分の可能性を狭めていることに気づいたのである。
困ったときには手を差し伸べてくれる仲間がいる。自分以外の誰かに心の底から頼ることができる。同じ屋根の下で暮らしながら「WISHに住むすべての寮生に充実した大学生活を送ってもらう」という目標に向かってRA全員が切磋琢磨しているからこそ,互いの個性や価値観を尊重し合えるのだと知った。
あなたは一匹じゃない。
Aはある日突然,自分が群れをなす渡り鳥に変身したことを実感したのである。
<就職活動の話>
卒業後はアプリケーションエンジニアとして,IT技術を用いて企業や社会の課題解決に挑戦していく予定である。
大学生にとって就職活動とは,一人でサバンナに出向き,ライオンを仕留めてくるのと同じくらい気乗りしないものだ。20歳そこらであなたの人生を決めろと言われてもまぁ無理だし,当のAも就職活動によってここはどこ?わたしはだれ?状態であった。
そんな暗闇に一筋の光を差し込ませたのがRA活動である。
この機会に,RA 活動に対して賛辞を贈らせていただくとしよう。
・ネイティブと喧嘩できるくらい英語を話せるようになった。
・時間管理や体調管理など,当たり前のことを当たり前にできるようになった。
・自分の言動のクセ(特徴;長所とか短所とか)を理解することができるようになった。
・何事も準備が大切であると知った。
・面接で「800人以上の寮生をRA組織の30人でお世話しています!」と伝えると,面接官の方々が一瞬「?」というような顔をして興味深そうに聞いてくださる。
・普段のRA 活動で行っているプレゼンテーションや身に付く対人スキルは本当に役に立つ。参加したインターンで「社会人3年目かと思った!」とお世辞にも言っていただけたことは今でも嬉しくて覚えている。
就職活動は付け焼刃で乗り越えられるようなものではない。
しかし本気で取り組めば,これからの社会で本当に必要となってくる力をRA活動は十二分に与えてくれる。
本当に神様仏様RA活動様々といったところである。
<Aの回想>
4年生になっても尚,自分の未熟さと対峙する日々である。
RAは一人では務まらない。
寮の垣根をも越えて,多くの方々の支えによって成り立っている。
今の恵まれた環境を当たり前だと捉えず,これからも周りに感謝して活動していきたい。
素晴らしい仲間に囲まれてAは今日も羽ばたいている。
[1] 文学部で臨床心理学を学んでおります,A(秋元 保菜実)と申します。
WISHのRA組織には6つの部署がありますが,私は広報部署でInstagramを運営したり,最終学年としてRA組織をより良い方向に導くために組織改革に取り組んだりしています。